近未来SF小説「GenaMapper」が面白かった!

ネットでちょっと気になる本を見つけたので、一気に読んでみました。

Gene Mapper -full build-

Gene Mapper -full build-

拡張現実が広く社会に浸透し、フルスクラッチで遺伝子設計された蒸留作物が食卓の主役である近未来。遺伝子デザイナーの林田は、L&B社のエージェント黒川から自分が遺伝子設計した稲が遺伝子崩壊した可能性があるとの連絡を受け原因究明にあたる。ハッカーのキタムラの協力を得た林田は、黒川と共に稲の謎を追うためホーチミンを目指すが―電子書籍個人出版がたちまちベストセラーとなった話題作の増補改稿完全版。

Wikipediaより)

上記あらすじの通り、近未来の世界を舞台にしたSF小説です。発達した科学技術により、拡張現実を利用した会議や情報の受け渡し、また作物などをプログラミングによって作ることができるようになった世界。そこで起きる事件を調べていく過程で、様々な問題に遭遇すると同時に、今ある技術が進化するとこうなっていくのか…と色々と考えさせられる内容になっています。

この作品の面白いところは、「今ある技術がもう少し進化すれば出来そうな範囲の未来感」だと思いました。
拡張現実を利用した遠隔地の人との三次元でのリアルな会議、感覚器官にアクセスし制御するシステム、手紙やボールなど現実のものとしての形で受け渡しされる電子データ、などなど。ちょっと想像すれば容易に想像できる装置が多く散りばめられています。理系人間は脳汁ドバドバ出ます

作品として気になった点は、「時間の感覚が掴みづらかったかな?」と思います。
一気に時間が進んだかと思うと、急に10分20分の間に多くのことを詰め込んだりしているので、「あれ?まだ同じ日なの?時間全然たってないの?」的な感覚に陥りました。

とても面白かったです。科学技術の描写はすごく想像が膨らみますし、なんとなく近い将来こうなるんだろうな、と思えました。まさか、小説を読みきるために徹夜するとは思ってもみませんでしたが…起承転結もしっかりしているので、とても読みやすかったです。